青年宿は、若い男の漁業就労者らが寝泊まりをした宿のことてす。現在でも上組、中間組、角屋組、下組の四軒の青年宿の建物があります。かつて玉江浦では、15才から25才までの多くの青年らが、出漁時や実家で食事の時などをのぞき、この青年宿で共に寝泊まりし生活していました。
青年宿では、多くの船頭や乗組員の中から選ばれた特に経験ゆたかな親父と呼ばれる人たちにより、さまざまな指導が行われました。若者らは青年宿で漁の道具の作り方をはじめとし、漁船に乗り組んで働き海上で生活するために必要なあらゆる技術や知識を学びました。また、日ごろから競って体を鍛え、皆で協力して何かをやりとげるという事もしばしば行いました。船を陸上へ引き上げたり波風にそなえてつなぎとめたりする時や、海難船を助ける時などには、若い者たらは進んで力を合わせました。そうして次第に一人前と認められるようになり、無くてはならない存在となっていきました。
青年宿は、玉江浦の漁業を支え、玉江浦地域を支える人を養成する学校のような役割をもっていました。
漁業人口の減少や高齢化により、20年以上も前から青年宿に寝泊りする者はいなくなりました。